建物や木々の陰、時折吹きつける風はやはり冷たく…
その日は、着物が大好きな友人達とランチして史跡を訪れ、買い物を楽しみました!
移動はもっぱら徒歩…
しかし!そんな日でも着物は着ます!
工夫次第では、屋外でも寒さに震えず着物を着ていられます!!
ということで、今回は冬場のひと工夫&着物コーディネートについてお話していきますね。
冬場の着物一工夫
①寒さ対策
私の防寒は、その日に応じて、その時家にある手持ちのアイテムで対策を講じる事が多く、目新しいグッズなどは持っていませんので、どなたでもチャレンジしやすいのでは??
羽織、マフラー、ストール、手袋などなど。。
この日はインナーとして洋服をセレクト
前後がVに大きく開いたニットのタイトワンピ
薄手なので表地に響かず、それなのにしっかり防寒になります。
和装でない時は、中にタートルネックを着て着用していますが、着物の時も活躍してくれます。
洋服によっては、襟の抜き具合で洋服の首回りがチラ見えしてしまう恐れもあるのですが、その点、このワンピは優秀です!がばっと大げさに襟を抜いても洋服まではたどり着けません。
この日着た着物は、裄丈も短いのですが、ワンピの長袖のおかげで、それが感じません。
短い袖から、無防備な腕がにゅっと突き出して素肌をさらすよりずっと、見た目のごまかしが効きます。この長袖、手のひらまで隠れる長さ!手袋不要!
和気あいあいとした女子会には、多少「洋」テイストをミックスしてもおかしくないでしょう!
足元は今年もらった着圧ソックス。
妹から家族に向けて「いる人―?」と連絡がありましたので頂戴しました!
しかし、足痩せよりも防寒目的で使用…
去年まではレギンスを履いていましたが、着物次第では、レギンスと腰紐が重なってしまいます。
と言うのも、私が持っている着物は古着が多く、マイサイズではありません。
レギンスの腰回りと腰紐の位置(通常よりもやや下に締める時があるので)がちょうど骨盤あたりで重なったときには、もう、女子は…トイレが面倒なので…汗
ニーハイソックスの様でつま先が空いているこのタイプは意外と便利でした!
かかとから足指の手前まで包まるので、普通の足袋を履いても問題なし!
靴下の2枚履きみたいなものです。
上は太ももまで隠れるワンピなのでこれで下半身丸包み!
その後は、タオルで少し補正をし、半襦袢と裾除けをしています。
②短いアンティークの着物コーデ
女子会メンバーはアンティークをこよなく愛する女子の面々。
一方、私は、手持ちのアンティーク着物は数点。
手持ちで頑張ってコーディネートしなきゃ!となるわけです
アンティーク…色合いも柄も素敵ですが、手触りが柔らかくて心地よいですよね!
しかし、身長160cmの私。
着物が小さい…おはしょりが出ません。
マイサイズに近い着物で比較(注;二つ折りにしていますので裾が肩側に来ています)
裾ラインに目印として黄色い線を入れていますが、分かりますか?
長さがこれだけ短いのです!!
今度はマネキンに衣紋を抜いて羽織らせてみました。
襟を抜いているので後ろの裾はたるみます。
前はもう、ぎりぎりで…足の甲にやっと付く感じ。
私の手持ちのアンティーク着物は全てこんな感じです。
裾を短めにして、ブーツで合わせてもアリなのですが、私は下駄を履きたかったので、普段通りの丈で着用したかった、衣紋も抜きたかった…。
わがままを通すには、潔くおはしょりを諦める事!
手を前に添えていると意外と“おはしょりが無い”なんて、ばれないものです!
ここで、ちょっと次の写真をご覧ください。
こちらの写真は別の日に別の着物で撮影したものです。
同じくギリギリの丈なので帯の下の処理をご覧いただきたくて載せます。
裾を決めて腰紐→裾を崩さないように襟合わせをして胸紐→黄色の線で分かるように、衽の線が「ぐいーん!」と角度を変えていて、うーん…無理していますね。
裄も、短さをごまかす為、半襟をたっぷり出しています。
そうすると着物の襟・肩・袖が腕の先の方へ落ちるので、裄が1~2cm長くなったように見えます。
*写真上:小さい着物の時 写真下:マイサイズの着物の時
写真はありませんが、この上に伊達締めを締めて固定させます。
下前との関係で、上前がもう少し右脇(写真では左側)まで持ってこられると良かったのですが、この様な位置に落ち着きました。
例えば、下前に布を継ぎ足したり、そもそも仕立て直しをしたり、短くて小さい着物を着る工夫はいくらでもありますが、着物自体に何も手を加えずに、なんとか着ることだって可能です。
③頂き物の帯
着物の柄である薔薇は洋花なので、年中通して着用OKが通説になっています。
今回は着物の葉の色と合わせて深い緑色の帯を合わせました。
着物の薔薇の柄が負けないように、帯は柄が目立たないものにしました。
*色合い加工あり
そして、この帯、実は頂き物です。
私に譲ってくださった方も、元は別の方から譲り受けられたそうでお仕立て上がりからどれくらいの月日が経っているのか不明です。
元々の持ち主の方は存じ上げませんが「未使用ではないか?」と思うくらい美品でした!
着物が暗めなのに暗めの帯を持ってくるなんて…と思われる方もいらっしゃるでしょう?
すみません、これが私の好みでして…
どうも、生来、色のたし算が苦手です。。それに、普段着は好きなように着る!
同系色でまとめようが、ビビットな色をもってこようが、その人の個性だと思います
普段着のコーディネートでは、思う存分個性を発揮した方が楽しい!というのが、私の持論です。
こうやってなんとか防寒しつつ、コーディネートが決まりました。
座るたびに、お尻の部分が「ぱんっ」と張るたびに、背縫いの糸がパチンと切れるのではないかとヒヤヒヤしていましたが…心配しすぎでした!最後まで何の問題もなく、大丈夫でした!!
アンティーク着物は、まだまだ現役で私たちを着飾ってくれる存在なので、これからも楽しんでいこうと思います!
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KIMONO CLUB BLA'N'RED
着付師 千葉真実(ちば まみ)
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