絣(かすり)買取相場は?買取店の選び方について紹介。

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絣(かすり)は、昭和30~40年代頃にかけて普段着の和服用に用いられた織物技法です。

第二次世界大戦中にはもんぺに仕立て直して着用されていました。

現代では洋服やネクタイ、鞄、室内装飾品など様々な用途で利用され、伝統文化の見直しや保護、地方再生といった観点から再注目されつつあり、後継を希望する人も増えてきました。

今回はそんな絣を売却する場合の買取相場と売却時の注意点などをご紹介します。

絣(かすり)の買取相場

様々な着物の中でも絣は普段着として用いられてきた物なので、振袖や留袖といった高級着物と比べると買取の査定額は高くありません。

その反面、絣は着物好きの間では馴染みが深く、特に夏用の着物として重宝されるため、流行に左右されない安定した価格帯で取引されます。

また久留米絣や薩摩絣のような高級な絣は高額査定になります。

それでは絣の買取相場を、着物買取りの専門店に売った場合の金額でご紹介していきます。

※絣の種類についての詳細はページ下の「絣の種類」の項目をご覧ください。

一般の絣の買取相場は高くて5千円くらい

絣の査定価格は、1,000円~5,000円程度が一般的な相場となっています。
保存状態や絣の種類、色や文様等によって価格の変動はありますが、汚れや虫食いなどがない着物であれば、このくらいで売れると思って間違いないでしょう。

久留米絣など有名な絣は高価買取!

もちろん重要無形文化財である久留米絣や、本藍染の伊予絣、正藍染の薩摩絣などは、5万円以上の高値がつくこともあります。
ただし、それらを証明できる証書がないと大幅に査定額がダウンするので、必ず証書も大切に保管しておいてください。

絵柄によってはノーブランドでも高値が!

有名な絣以外にも、細かくて繊細な絵柄の絣は高い技術と手間を要するため3,000〜5,000円と高値がつきやすくなります。
また、夏用であれば春のうちに売るなど、需要が高まる時期に売ることも高額査定に繋がります。

着物は思い立った時にすぐ売るのではなく、時期をよく見てから決断することも重要です。

絣は保管の仕方が重要

絣に限らず、着物は湿気や太陽光線に弱いため、保管には特に気を配らなければなりません。カビ、虫食いにも気を付けましょう。

染料に用いられる藍には虫除けの効果があるため、藍染の絣はお勧めです。藍染のものと一緒に保管することでも一定の効果が得られます。

高く売れる絣の紹介

高く売れる絣を種類別に見てみると、綿の絣では日本三大絣である伊予絣久留米絣備後絣が挙げられます。

これらは着物好きの間で安定した人気があるためです。また、同じ綿の絣でも薩摩絣は大島紬の技法を用いた絹のような光沢と風合いがあることで知られ、裏地のない単の着物などにも使われる人気素材です。

麻の絣としては、越後上布、能登上布、小千谷縮などがあります。通気性に優れる上に軽くさらりとした着心地のため夏用着物としての需要が高いためです。一方、絹の絣で有名なのは、琉球絣です。表面に凹凸があって汗ばんでも肌にくっつかないため、こちらも夏用着物によく用いられる人気素材です。
なお、着物は保管状態も重要なので、虫や湿気に気を付けて管理しましょう。

ハート

絣はどこで売るのが一番お得か?

いざ絣を売ろうと思ったら、リサイクルショップ、古着屋、ネットオークション、フリマアプリ、着物買取の専門店など様々なところに売ることができます。

その中でどこが一番オトクなのか紹介しましょう。

リサイクルショップと古着屋

リサイクルショップと古着屋は、絣の着物を購入する客がほとんどいないので、買取不可または買取価格がかなり安くなる可能性があります。(数点で数百円など)

絣の買取相場 買取不可〜まとめて1,000円

ネットオークションやフリマアプリ

ネットオークションやフリマアプリ(メルカリ)は、自分で絣の売値を設定できるので、売り方次第では高値で売却することも可能です。

ただ、中古の着物を探している多くの方は安く買えることを期待しているので、高値で出品してもなかなか売れず、値切られたり結局値下げするケースもあります。

売れた場合も送料手数料がかかり、梱包から発送、購入者とのやり取りまで自分で行う必要がありますし、クレームの心配もありえます。

また、そもそも自分が絣の正しい価値を知らないと、高い着物を安く売ってしまう可能性もあるでしょう。

絣の買取相場 1,000円〜30,000円

着物の買取店

一方、着物買取専門店ならまとめて一度で売れますし、出張買取に来てもらえば荷造りなどをすることなく簡単に売却できます。

着物買取の専門店には着物の鑑定士がいるので、しっかり査定し適正な相場で買い取ってもらえます
自分でも知らなかった以外な着物が高く売れることもあるわけです。

ほとんどの買取店は無料で査定してくれるので、仮にメルカリなどに売るにしても着物買取店に査定してもらって売却先を決めると良いでしょう。

また最近ではインターネットで査定申し込みや出張査定が可能な着物買取店も多く、特に出張査定は一番良い状態に置かれた着物を見てもらえるため、売り手に有利です。さらに、宅配買取や店頭買取にはない、クーリングオフが使えるのも出張買取のみ!

あとから売ったことを後悔することもあります。そんなときにクーリングオフがあれば着物が帰ってきますよ。

絣の買取相場 数百円〜80,000円

例)久留米絣の比較事例

久留米絣の買取比較

ご覧のようにネットの着物買取専門店が絣の着物を一番高く買い取ってくれることがよく分かります。

なおネットの着物買取店がなぜ高く買い取るかを知りたい方は「ネットでの着物の買取が高い理由」のページをご覧ください。

リボン

高く売れる絣の買取業者の選び方

続いてネットの着物専門店の中からお店を選ぶ方法をご紹介します。

絣の買取実績が多いお店

ネットの着物の買取専門店に売るとしても、着物の専門店もかなり多く存在します。
そんな中で買取業者を選ぶポイントは、絣の買取実績を比較することです。

絣の買取が多い業者なら利用者から支持されていることになり、買取価格も高値が期待できます。

実績が多ければ中古相場を熟知しており、絣に関する知識も豊富で、より適正な見積もりが可能です。

つまり、各着物買取店の買取実績に絣の着物が載っているかどうかを確認しましょう。

着物買取店の絣の買取実績

ネットの買取の点の中で評価の高いお店の絣の買取実績を調べてみました。
絣は安い着物だけに、各店の買取実績に含まれていたのは1店舗のみでした。

店舗 バイセル 買取プレミアム 福ちゃん ザ・ゴールド 着物10 コメ兵
実績

サービスの対応もポイント

また、他にも応対が不親切、手続きの煩雑さ、買取に関わる手数料が必要かどうかなども要チェックです。

こういった点は買取店のホームページでは分かりませんので、口コミや当サイトのような着物買取情報を紹介しているサイトを参考にしてください。

紬の買取が高い業者はランキングから選ぶ!

複数の買取業者とのやりとりは時間がかかりますし、体力的にも精神的にも消耗します。

口コミなどで買取の高い業者が知りたいと思った方は、当サイトの着物買取店ランキングをご覧ください。

100人以上の買取体験者へのアンケートとyahoo知恵袋などの口コミを元に着物買取店のランキングを作っています。

高く、効率よく紋付きを売りたい方はぜひご覧ください。

絣を売った方の口コミ体験談

絣を売った方の体験談をご紹介します。
より詳しく知りたい方は口コミ下のリンクをご覧ください。

買取価格:小紋1枚500円

ポリエステルの安い小紋だったから、買取価格は適正だと思います。どこへ持って行ってもそんなに変わらないでしょう。 ただ、高い正絹の着物の場合はちゃんとした着物リサイクルのお店を回って、自分の納得するところで売った方がいいのではないかと思います。
リサイクルショップにも扱ってる着物の種類があって、アンティークのものは少し高めに買ってくれたりするところもあるようです。 思い入れのある着物や高かった着物などは売るお店も納得できるところでしてほしいと思います。

サークルワン商工センター店にポリエステルの小紋を6枚を売った体験談

買取価格:着物・小紋1枚、帯1枚4000円

やはり2・3件の値踏みをされた方が不満が、残らないと思います。

エコリングに着物小紋1帯1を売った体験談

買取価格:小紋 1着 帯、草履等の小物6,000円

何件か、聞いて納得が行かなかったら店舗に査定してもらうか、リメイクしてもらった方が良いと思います。

買取プレミアムに小紋 1着 帯、草履等の小物を売った体験談

買取価格:振袖1枚、小紋2枚、帯1枚5万円

総合買い取りを行っているところは、あまり着物に詳しいとはいえないため、買い取りが着物専門であるお店をオススメします。比較する際も、専門店での見積もりを参考にすると、より自分の買い取ってもらおうとしている着物の相場が明確になるので、納得しやすいのではないかと思います。

コメ兵に振袖1枚、小紋2枚、帯1枚を売った体験談

買取価格:小紋一枚1,000円

長らく着ない着物があるなら、捨てるよりもリサイクルに回した方が良いと思います。今は日本文化が注目されているため、私の着物もどこかで有効活用されていることを願います。

たんす屋に小紋一枚を売った体験談

まとめ

絣とは、染め分けておいた糸を経糸・緯糸のいずれか、もしくはその両方に用いて織ることで文様を作っていく織物技法の1つです。日本三大絣である伊予絣、久留米絣、備後絣、さらには山陰の三絵絣と呼ばれる倉吉絣、弓浜絣、広瀬絣が全国的に有名ですが、他にも薩摩絣や琉球絣、越後上布、小千谷縮等々、地域ごとに様々な絣が存在します。

絣の買取は、質店やリサイクルショップでも取り扱われていますが、正当な査定額を出してもらうためには着物専門の買取店がお勧めです。出張査定を行ってもらえる買取店は、保管が難しい着物を最も良い状態で見てもらえるため売り手にとって有利です。

絣には、日本三大絣や薩摩絣で知られる綿絣、越後上布や能登上布、小千谷縮で知られる麻絣、琉球絣が人気の絹絣などがありますが、それぞれに異なる風合いや魅力があり、一定の人気があります。夏用に用いられる絣は春に売るなど、買取時期を考慮するとさらに査定額アップに繋がります。
保存状態や、種類、文様等によって異なりますが、1,000円~5,000円程度が絣の一般的な買取相場です。重要無形文化財である久留米絣や、本藍染の伊予絣、正藍染の薩摩絣などは、10,000円以上の高値がつくこともあります。但し、証書がないと大幅に査定額がダウンする可能性があるので、必ず証書も大切に保管し、持参しましょう。


補足


絣とは

事前に染め分けておいた糸を経糸・緯糸のいずれか、もしくはその両方に用いて織ることによって文様を表していく織物技法の1つです。染め分けした絣糸を経糸に用いたものを「経絣」、緯糸に用いたものを「緯絣」、経糸・緯糸両方に用いたものを「経緯絣」と呼びます。
絣織りの発祥はインドとされ、東南アジア諸国を経て琉球、日本へと伝わりました。明治から昭和30~40年代頃にかけて普段着の和服用に用いられ、毎年数百万反が製造される最盛期を迎えました。但し、第二次世界大戦中は女性の着物着用が禁じられており、もんぺに仕立て直されていました。洋装化が急速的に進んでからは絣の需要が激減し、生産量も僅かになっていきました。

現代における絣は洋服の他、ネクタイや鞄など装飾小物や、壁掛けなど室内装飾に至るまで様々な用途で用いられています。生産に手間がかかる割には元々が普段着用であったため高級品とは見なされず、需要が伸びない傾向にありましたが、近年における伝統文化の見直しや保護、地方再生といった背景から絣織りの後継を希望する人も少しずつ増えてきています。

絣の種類

絣には、日本三大絣と呼ばれるものがあり、最盛期には年間200~300万反も製造されていました。また、山陰の三絵絣と呼ばれるものもあります。その他にも地方ごとに特色のある様々な絣が存在します。

日本三大絣

伊予絣……愛媛県松山市で製造される絣で、松山絣とも呼ばれています。江戸時代後期、今出の鍵谷カナが独力で織出したもので、当時は農家の女性達が副収入を得るため農作業の合間に紡いでいました。織機の改良が進む明治に入ると生産量が増え、明治中頃から大正にかけては日本で生産される絣の半分を占めるようになりました。
久留米絣……福岡県久留米市と周辺の旧久留米藩地域で製造される絣です。錦織物で藍染が主体となっています。久留米絣の技法は1956年に重要無形文化財に、1976年には伝統工芸品に指定されました。
備後絣……広島県福山市の新市から芦田町にかけて製造されている絣です。現在では錦のみとなっていますが、絹やウールも製造されていた時代もあります。

山陰の三絵絣

倉吉絣(鳥取県倉吉市)
弓浜絣(鳥取県弓ヶ浜半島)
広瀬絣(島根県安来市広瀬町)

その他の絣

  • 伊勢崎絣
  • 佐々絣
  • 薩摩絣
  • 武蔵絣
  • 琉球絣
  • 大和絣
  • 越後上布
  • 能登上布
  • 近江上布
  • 小千谷縮
  • 作州絣
  • 十日町絣